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May 31, 2012

上海2012・ ・SATURDAY/②

Img_0635 川を渡って(もぐって)中心街にひきかえし、お買い物の時間である。このとき森ビルでひろったタクシーの運ちゃんが何ンか怒りまくっている。理由がまったくわからないのだが(われわれのせいではないらしい)、あんまりしつこいので笑けてくる。
 一体に上海の街は騒々しい。象徴的なのはクルマのクラクションで、あちこちで終始鳴りっぱなしという感じ。ニッポン人はクラクションをめったに鳴らさないかわりに一たびやられるとそこに「悪意」「敵意」を感じるが、上海人の場合はおそらく「あいさつ」程度のものなのだ。同様にこの運ちゃんの怒声も実は冗談かなんかを言っているのやも。というのも、大声をあげてると思ったらふいに笑いだしたりするからだ。ちなみにこーゆー人たちはべたべたの「上海語」で喋るため、ビジネス用語の北京語を使うYクンにはサッパリらしい。

 とかなんとかやってるうちに到着しました「田子坊」。ここはいわゆる「お土産屋さん街」だ。けど豫園商城とはまったくちがって、古い倉庫なんかを改修し雑貨等を売る店をいっぱい建てたトコ。こういった場所をよく「ソーホー」なんて称しますな。オシャレなんである。「No Japanese!」は要らない。
 さてわれわれは散開行動をとることにした。物欲への嗜好は多様であるからして、五人まとめてぞろぞろ歩いてても効率悪い。今回「ヒトまかせ旅」を堪能してるワタシもこんなときだけは率先してひとりとなり、路地の細い、複雑きわまる田子坊の街へ入っていった。
 面白い面白い。かわいくて、それでいてどこかすっとぼけた小物がいっぱいある。う~ん、再集合の時間、もうちょっと長めにとるべきだったか。
Img_0838 購入したものの一部。ワタシのお土産の買い方は、(誰々さんには・・)とか「買っていくべき」ヒトの顔を思いうかべながら選ぶ、というのではなく、面白い! と思ったものをとにかく購入しておき、あとで配分を考える、というものだ。ここに写ってないがなにやらヘビのごとき得体の知れぬ雑貨ももとめたのだが、それはカイシャの人間にあげた(150元だったが、そう告げるとYクンにそれは完全にボッタクられましたと言われた。みなさん、田子坊では値引き交渉が利きます。おぼえておきましょう)。

Img_0839 すこし時間ができたのでYクンの住んでるところを見に行こうということになった。そのそばの店でワタシの買ったもの。
 面白いと思ったのはこういう「プロパガンダ・アート」を扱う店がけっこうあることだ。文化大革命を「おちょくっている」ととれなくもないモチーフを施した品々がそこらじゅうにある。大丈夫なのか? しかもそんな店がたいてい小洒落ているのだ。ここらへんの感覚はよくわからん。同店には「毛語録」の(おそらく)本物があった。とても手の出ない値付であったが。
 さてこの写真のTシャツとお皿、なかのイラストが同じようであるが実は異なる! それはどこでしょうというのを次回までのクイズとしよう。
 
 Yクンは瀟洒なマンションに住んでおった。ここら辺はYクン自身承知しておらぬようであったが昔の「フランス租界」の一部なのである。列強が上海の租界化をすすめる内、英米を中心とする「共同租界」とフランス租界に分かれた。フランス租界はパリのような景観をもとめて街づくりをしたからそれ風のたたずまいがいまも残る。それを求めて小奇麗なショップが進出し、それなりのマンションも建つ。Yくんが「このへんは白人とかがけっこう歩いてるんですよ」というのもそれなりの理由があるのである。

(つづく)

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May 30, 2012

上海2012・ ・SATURDAY/①

Img_0610 われわれ(というのは最年長のワタシと2番目に年食った白髪の渋い後輩の二名)が泊まっている部屋は黄浦江とは反対の方向に窓が位置し、そこから見えるのはうらぶれた低層住宅の群れ、工事現場。とくに本日のようなしょぼ降る雨のなかではいっそうの哀れをさそう景色だ。試みに有言実行後輩1号2号の部屋にいってみると川は見えないものの立派に黄浦江側であり、遠く浦東の高層ビル群などもよく見え、夜のネオンはさぞやキレイであろう。1号の策略がこんなところにも・・、とあらぬ疑いを抱くワタシであった。
 お定まりのバイキング朝食を終え、われわれはまずバンド見物に出ることにした。ワタシが「バンド」と口にすると他の三人は不思議そうな顔をつくる。「地球の歩き方」当該頁を示せば、「な~んだ、“がいなん”のことか」「“ワイタン”って読むんですよね」ときた。コレだから若造のおノボリさんは! ワタシなどはバラード『人生の奇跡』から奥泉光の『「吾輩は猫である」殺人事件』まで当時の上海を活写した本を何冊も読んでおるのであって、南京条約以降英米をはじめとする各国が上海のめぼしい土地を租界とし、特にこの川沿いのエリアをバンドと呼んだことは自明の理。ワタシにとって外難はあくまで「バンド」である。

Img_0617 それにしても寒い。上海は緯度的にはだいたい鹿児島と同等に位置しているがそんなことはまったく感じさせぬ。

Img_0618 雪まじりの雨。風が強くなってきた気がする。それにしてもこの豪奢な建物がずっとならんでいる光景にはやはり圧倒される。実はけっこうな二日酔いであったのが、冷たい風と目に鮮やかな景色がいつの間にやら気分をおちつけてくれた。

 さて地下鉄に乗り、川向こうの浦東側に渡る。まず目にとび込んできたのがコレ。
Img_0622 まあおなじみのTV塔なんだけど、こいつ、近くで見るとそのデザインの狂いっぷりが尋常でなく迫ってくる。二日酔いのおさまった余勢をかって、ワタシはくすくすくすくす笑いがとまらなくなってしまった。いいネ! 中国はやっぱこうでなきゃ! クレイジーだよネ!! どうもこのへんからワタシの脳内麻薬がピュピュッと出はじめオカシクなっていたようである。
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「世紀大道」を森ビル方面に歩いていってふりむいた光景。
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いいッ。狂ってる。このままいけ! 中国。

 その後森ビル(は通称。ただしくは「上海環球金融中心」)内にある鼎泰豐(ディンタイフォン)という点心の店に入り、上海在住Yクンが合流。これでワタシの「ひとまかせ上海ぶらり」度が上がったわけだ。本日は土曜日。Yクンはもちろんわれわれ旅行者、いやさ出張者たちもシゴトを忘れ、まずは青島ビールで乾杯!である。
 ところでこの鼎泰豐、どうも雰囲気に見憶えがある。 ・・・・ なんだ! 台北旅行のときツアーで「本店」に行ったあの「鼎泰豐」じゃん! アル中からジャンキーと化していたワタシのいばらんことか。ここも美味しいけどさぁ~、やっぱ鼎泰豐なら本場を経験すベきでしょ~。つくづく嫌なヤツである。

 昼飯のあとは、さあコレをやんなきゃ上海旅行がおさまんない。上海環球金融中心の100階部分空中散歩である。ちなみに通称森ビルの全景、こいつである。
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栓抜きみたいになってる穴の上の部分、床がガラスの素通しではるか下界が丸見えという趣向。う~む、愉しみですなあ。高速エレベーターでどんどん上を目指します。

Img_0629で、いきなりキタあッ。

Img_0630いいですねェ。
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Img_0632 ちなみに脳内麻薬ジャンキーであったせいか、ワタシはまったく平気でガラスの廊下をひょいひょい歩いておったのだが、ふだん飄々としている「白髪」が異常な恐怖をしめし、一歩たりともガラスのうえに足をふみ出せないでおるのは、まったく愉快なことじゃった。

(つづく)

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May 28, 2012

上海2012・ ・FRIDAY/④

本日の更新 : 針鼠活字/針鼠銀幕


Img_0599 まず変顔の店に連れてってやるといわれた。ヘンガオとはなんぞ。Wikipediaによると本来「川劇」と呼ばれる四川省の芸能があり、その演劇中の出し物で顔につけた面を瞬時に取り替える技、とある。ただしくは変臉(へんれん)いうが転じて「変面」となり定着したようだ。「変顔」では日本のアイドルがわざとブサイクになってみせるアレである。
 店に着き、おいしい紹興酒や豪勢な料理を堪能しつつ待つことしばし、ついにこの店の変面演者の登場だ。
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ものすごい歓声。かなりのスターと見た。
さてそのお手並みやいかに・・ おおッ何ンたる摩訶不思議。
とにかくコレが、
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あっちゅうまに、コウ
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なるんである。
 いったいどういうカラクリとなっておるのか、またもWikipediaから引かせてもらえば「「一子相伝」の「秘伝」とされる。中国では第1級国家秘密として守られている」とのことである。

Img_0594 とにかくもやんやの拍手喝采、大声援のなか幕と相成った。
White       上海に日本人が来ると「カラオケ」という場所で接待をするのが慣わしとなっているらしい。二次会はカラオケへ、との声があがったがなんの! カラオケなんぞニッポンでいき飽きている。遥か上海の地で「兄弟船」を唄わせる気か! といささか酩酊のワタシが主張すると周囲しばし困惑の挙句、静かなるバーを探してきてくれた。
 おう、いかす店じゃないの、そうそうこの感じ、オトナの酒たるものこうこなくっちゃいけないね。と、いい調子でロックのグラスを干すワタシの酒にかすんだ目に、魅惑的な男子の姿がうつった。なんともかわいい奴っちゃ。キミ、誰かに似てるね。そう! 杉作J太郎!! 彼、チャーミングだよねぇ~。
と、気づけばこんな行為に及んでいた。
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おそるべしワタシのBL力。国境を越えてそのスキルを惜しみなく発揮させるのである!

 こうして上海の旅はその第一日を愉快なる雰囲気のなかに閉じたのである。

* 翌日この写真をしらふで見た際、さすがのワタシも酸っぱいものが
 胸にこみ上げてくるのを抑え切れなかったという。

(つづく)

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May 06, 2012

上海2012・ ・FRIDAY/③

本日の更新 : 針鼠活字/針鼠銀幕


Img_0701_2 我々がチェックインしたルネッサンス上海豫園ホテル(「地球の歩き方」表記)は豪著な宿であった。実際「地球の歩き方」にも「5つ星」とある。成田との往復の上こんな分不相応なトコに二泊してしめて5万を超えないとは、いくらシーズンオフとはいえ安すぎる(二日目には「マッサージ」のオプションも付いているのだ)。手配してくれた有言実行後輩1号クン、いったいどんな手を使ったのか。
 けれどワタシは何も気にしない。前回書いたとおりこの旅はすべてひと任せ、ボーっとしてるうちにホテルそばの銀行での換金も済ませ、豫園に入る。こーゆー「庭園」という見世物は世界各地けっこうある。で、たいがい飽きる。最初はそれなりの奇観に「おおッ」ともなるが似たようなものが延々つづくのが常で「モーわかった」「早く出たい」という気にさせられる。我々もご他聞に漏れず京都・奈良修学旅行時の寺社見学中の中学生みたいになって、こんな
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写真を撮るなどしてはしゃぎだす始末。
Img_0579 実際豫園そのものよりもそれを取り囲むように拡がる「豫園商城」ほうがずっと面白い。ここはつまりマーケットで飲食店や土産物屋が立ち並び騒々しいことこの上ない。偽ブランドの時計売屋がどうしてこっちの国籍が判るのか不思議なのだが下手な日本語で話しかけてくる。「No Japanese!」と怒鳴ってみたら黙りこんだので以後この方法を押し通すことにする。
 名物の小籠包を食っているときハッとわれに返った。このようにげらげらとハシャギ廻っていてはいけない。我々はシゴトで上海に来たのだ。とゆーことであわてて人民広場近くのオフィスを目指す。そこで矢継ぎ早にシゴトをこなして総経理(中国企業で言うとこの社長)との挨拶も交わし、
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(ニッポンではセクションが違うとはいえワタシのただの後輩がここ上海で豪華な社長室を与えられている。どいうことなのだいったい・・)などという不満は一切見せず、よく働いたご褒美ということで夜の上海に繰り出したのだった。

(つづく)

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