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February 19, 2010

年越し香港2009-2010 ④

本日の更新 : 針鼠活字/針鼠銀幕


Dscn0311 クルマでヴィクトリア・ピークに登る。ま、ホントは夜景を見るのがここの売りなんだけどこーゆーモヤに包まれたビル群の眺めもまた一興である。


Dscn0304 で、帰り(下り)は「ピークトラム」に乗る予定だったんだけど、なんと故障! 「開業以来無事故」を誇るこの線にあって、こんな事態はきわめてマレであると葉さんが言ってた。なんということか、「THE定番」とでもいうべきピークトラムに乗れないとは! 逆に貴重な体験とも言えるが・・ 思えばスーツケースの鍵の故障にはじまって今回の旅行にはトラブルがついてまわってる気がする。この先なにも起きなきゃいいけど。

 やむなく登ってきたクルマでそのまま下山。そのあと「スターフェリー」に乗って九龍側へ移動、お昼である。

Tensin1_2 「東海海鮮酒家」にて飲茶をいただく。「北京樓」の経験もあってちょっと心配したけどここは美味かった! ツアーの宿命で見知らぬ方たちと円卓を囲むことになり、大皿の料理を「ドウゾドウゾ」とまわす気遣いをしなけれならなかったものの、その中身が見る間になくなってゆく!
 ところで過去の経験からこういう席でアルコールを飲む人がほとんどいないことを我々は知っている。だがワタシはこんなおいしい点心をお酒抜きで食べるなど考えられなかった! 幸い右隣の親娘3人連れが「2本だけたのもうか・・」とか言ってるのが聞こえてくる。これはチャンス!と率先してウェイターを呼び「香港ビール」(実はサンミゲル)をオーダー。うまいッ。

Dscn0325 いい気分で「黄大仙廟」へ。ここは占いが有名なんだそうだが、いまは敷地の大部分が修繕工事中。ひと廻りして、ツアー終了。それにしてもこの宗教は何? 侯孝賢の映画なんか(つまり台湾)でもよく見かける、長いお線香を持って拝むやつだ。仏教の一派なのだろうけどいまひとつ判らず、かつ調べようともしないワタシなのだった。

Dscn0327 ペニンシュラホテルそばでツアー一行とお別れ。さて、どうしようか。ネイザンロードでも歩いてみるか。というわけで北上してゆく。
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Dscn0329 それにしても、あらためて香港の建築は狂っている、と思う。平地が少ないところへ大量の人々が住まうためにマンションは高層化。風水を重要視するから建物のどてっ腹に穴が空いてたりハデな色づかいだったり。おまけに地震がないのをいいことに奇抜なデザインでどんどん建てていく。「もし大地震がきたら半分は倒壊」とは、葉さんの言葉である。が、それゆえに飽きない。歩いていると、「こう来たか」とヤラれたような気分になる建物に次々と出会い、愉しい。

 などと言ってる場合ではない。ワタシは自分がかなり疲労困憊していることに気づいた。早朝からのいろんな所を巡るツアーに加え、ネイザンロードを闊歩する香港人のエネルギーにアテられたようだ。退散しましょう、ということで本日の晩ゴハンへむかう。

Dscn0332 香港島側の、我々の宿からも近い「銅鑼灣」駅を降り、目的地を探す。
 いくら予習しなかったといってもガイド本をパラパラやるくらいはしてた。その、食べものに関する記述のなかでワタシの目を引いたのが「雲呑麺」であった。写真を見ると実においしそう。各種ブログなどを見ても「雲呑麺がうまかった」という記事がとても多い。これは喰ってみたい。というわけで、本でも推されていたここ銅鑼灣にある「何洪記」をめざしたのだった。
 この日は大晦日。中国では、いわゆる西暦の元旦はあんまり重要視されず、日本のそれにあたるのは2月の中旬にある「春慶節」だ。だから大晦日っつーても何ンにもないだろうと思ってたのが大間違い。駅を降りるとそこは交通規制の嵐だった。何をやるんだかよく判らないけど、とにかくヒトが集まってきてる。ガイド本片手に「何洪記」へ行こうとするのだが、この道の先かと思われるところが柵で封鎖されていて、立ってるオマワリさん風のヒトに身振りで聞いてもこっから先へは行けないと言う。あきらめかけながらもグルグル歩いていると、いきなり目の前に「何洪記」があらわれた! しかし中は満員である。店員のおばさんに「入りたい」という意味のことを伝えると、「5」と書かれた紙片を渡された。これは何か? あと5人分空くのを待てということなのか。判らないままに店先にたたずんでいると、ほどなくさっきのおばさんに呼ばれた。狭い席につく。ひとり連れの中年女性と相席である。オーダーを聞かれ恥も外聞もなくガイド本の雲呑麺の写真を指さす。
 ガイド本に載ってるくせに、まったく日本人らしき人がいない。ホントに地元っ子に人気の店、という感じだ。相席の女性は我々には料理の名が判らないおいしそうなものを食べてる。と、彼女が「Are You COREA?」と話しかけてきた。「のー、のー、じゃぱにーず」と応える。なにもそこまで必死になって否定しなくていいものを。でもかつては日本人の海外旅行のスタンダードであった香港も、昨今は他のアジア人にとって変わられてるのかも、と実感できる瞬間だった。
 やがて雲呑麺が運ばれてきた(ビールを頼むのはとっくにあきらめてる)。ふむ、美味しい。おいしいけどベビースターラーメンのようでもアルナ、というのが我々の感想。でもとにかくいろんな困難を乗り越えてこの店にたどり着き、目的のものが食べられた、という時点でワタシはほぼ満足なのであった。相席のおばちゃんは雲呑麺を追加オーダーしてる。やっぱり人気メニューなんだな。こっちにもうちょっと精神的な余裕があれば、おばちゃんに話しかけて(おしゃべり好きそうだった)みたんだろうが。そっけなく見られちゃったかな? ゴメン、おばちゃん。

Dscn0349 同じような時間帯に行くから、ちょっと顔見知りになったお兄ちゃんのいるいつものセブンイレブンに寄り、酒類など買い求めてホテルに帰る。NHKが映るんで例年は見ない「紅白歌合戦」を流しっぱなしにしてカンパイ。
 ところが、ふだんから寝つきのいいヨメがベッドでスヤスヤはじめてしまった。「カウントダウンのとき起こして」と言うがはたしてどうなるか。やがて「紅白」も終り「ゆく年くる年」がはじまった。香港は日本と1時間の時差がある。TVのなかの世界では1時間早く新年をむかえるワケだ。いちおうヨメに声をかける。「ニッポンで年が明けるよ! カウントダウンしないの!?」起きるわけもないヨメ。

Hanabi1_2 ひとり、しんみりとワインをちびちびやってると、こんどは地元香港の新年がやってきた。部屋から見えるビル群では花火のようなものがあがった。おそらく電飾だろうが。クルマのクラクションがあちこちで鳴ってるのも、この高層からかすかに聞こえてくる。もういちどヨメを起こそうとこころみる。「花火がキレイだよ!」・・意味不明の応答をするだけで、むろん起きはしない。あきらめて、ワタシはまたひとり、酒を口にはこんだ。いっぺんに2度、新年を迎えられるなんて、なんかお得だなぁと思いつつ。

(つづく)

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February 14, 2010

年越し香港2009-2010 ③

Dscn0266 ホテルの朝食バイキング。洋食あり、点心あり、お粥なんかもそろっていてナカナカにバラエティに富んでるじゃないか。スイカ好きのヨメはまずデザートにかぶりついておりました。

 本日はオプショナルで香港の定番観光地を巡るのだ。

Aberdeen1 香港島の南西部香港仔(アバディーン)へ。有名な水上レストラン「JUMBO」が見える。屋形船みたいなボートに乗って湾を一廻りしてもらう。ここら辺はその昔水上生活者であふれていたそうだ。いまは豪華ヨットやクルーザーがひしめいている。行きかう船、巨大な高層マンション郡、そのむこうに見える山並み。すべての「配色」がいつか見た香港映画そのままで、なんとも愉快な気持になってきた。

 ところで今回の旅行にあたってワタシはほとんど「予習」というものをしてこなかった。だから、ガイドの葉さんが「次は○○という所へいきます」と言うと、○○に向かうバスのなかで必死になって「地球の歩き方」の頁を繰り、○○に関する記述を読み、ヨメにむかっていま得たばかりの○○の知識をとくとくと披瀝してみせる、ということを繰り返した。ヨメは呆れていたが、案外こーゆー状況のほうが情報が頭に叩き込まれるもんだ。先のアバディーンに関しても、これから行く先も、こんな風にして知ったことを書いてます。

Dscn0299 お次はもっと南下したトコにある淺水灣(レパルスベイ)。この辺りは富裕層が住んでおり、彼らが夏場に海水浴をする白い砂浜がある。映画『慕情』のロケ地だ。
 で、面白いのはこの海岸の端の一角で、天后廟となっている。これが何かというと(「地球の歩き方」でなくて葉さんに教わったところ)、むかし漁業を生業とする水上生活者が多くいた頃、台風が香港を襲うとたいへんな数の死者が出た。そこで金持ちが競うようにこの辺りに縁起のいい像をつくらせていった。どの像にも「オレが寄付したのだ」ということでその金持ちの名前が刻んである。それにしても計画も何もあったもんじゃなく、てんでにいろんな像がつくられていったために、大から小まで、モチーフも様々、なにより狂ったような色の氾濫となっていて、見て廻ってると頭がクラクラしてくる。これは面白かった。

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魚(?)の口にコインを投げ込もうとする人たち。入るといいことがあるんでしょう。

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「姻縁石」に触るヨメとワタシ。なんでも、たとえ離れていてもその縁がずっと続くという効き目があるらしい。これでワタシが仕事で遠くに飛ばされても安心だ。

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レパルスベイ。なんと泳いでるヒトがいた! そばに「元旦に水泳しよう」みたいな意味のことが書いてある旗があったからその練習だろうか。日本の寒中水泳みたいなものか。


 さらに南下して赤柱(スタンレー)へ。ここはスタンレーマーケットというお土産屋さん中心で、街の写真を撮るのは失念しました。かなり奥のほうまで細い路地がつづいていて面白そうだったんだけど、時間もなく、買い物に追われたって感じ。そこでお土産を載っけることで、スタンレーの紹介に替えましょう。
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左)「花文字」という。こちらのオーダーに応じた文字を、めでたい花やら鳥やらをあしらって描いてくれる。一点モノですぞ。(部分)
中 右)趣味のいいTシャツ。あんまりオマケしてくんなかった。ここら辺はもともと欧米人を相手にしていた。ためかそれほど危険な匂いはなく、またしつこい客引きも見当たらない。


 つづいて香港観光の定番中の定番、ヴィクトリア・ピークに向かいます。

(つづく)

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February 13, 2010

年越し香港2009-2010 ②

Dscn0252 さてさて、今宵のディナーの場所「北京樓」へと移動。例によって九龍側にあるんで海底トンネルを車で抜ける。
 お味のほうは・・ ウム、微妙ですナ。北京ダックが売りらしいんだけど元来ヨメはトリの皮が苦手、ワタシは好きだが何ンだかモソモソしてんだよな。「銀座アスター」のほうがウメェぞ。でもまあこの地ではじめて入ったレストラン、がちゃがちゃガヤガヤした雰囲気は面白かったし、デザートのタピオカミルクはイケたし、で満足。
 ところでここで飲んだビールは「サンミゲル」。永らくフィリピン辺りのブランドかと思い込んでたんだけど、香港産なのだなあ。この後滞在中ずっとこのビールのお世話になったけど、(特に瓶入りのは)呑み口がスッキリしてて実に美味い(っていま調べたらやっぱりフィリピンが本社じゃねぇか。「ホンコンビール」とか言ってたウェイターもいたのに)。

Dscn0262 ヴィクトリア湾を臨むプロムナードへ。しばし散策しブルース・リー像などひやかしつつ8時を待つ。毎晩この時間から対岸の中環、灣仔辺りのビルが夜空にサーチライトを放つ「シンフォニー・オブ・ライツ」がはじまるのだ。実物は、天候のせいか不況で光量をケチってるのかいささか「ぼんやり」した印象のモンだったけど、それだけにたまに緑の光線がバシッときまると、オオーッてな感じになる。

Dscn0263 帰りは地下鉄を使ってみた。香港の地下鉄(MTR)はかなり充実して張り巡らされている。ひとむかし前は「おつりが出ない」ことで有名だった自販機も、もちろん今は出ます(豆知識:日本では皿に出てきたおつりをつかむようにしますが、MTRでは返却口に手を突っ込むと小銭が上から降ってくる仕組になってます。だから日本式に手のひらを下にして入れると甲の部分にお金がじゃらじゃら出てきてつかめずに、辺りにバラまくことになります)。

 ホテルそばのセブンイレブンでワインなど買い込み、部屋で呑みながら香港初日の夜を過ごした。

 ところでこの部屋はベッドルームとバス・トイレの間の仕切がラブホみたくガラス張りになっている。ヨメは最初大騒ぎでだった。そりゃたとえだんなでもオシッコしてるトコ見られんのは恥ずかしかろう。当然カーテンのごときものがあるかと思ったがどうも見当たんない。
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 さんざ探してやっとブラインドのボタンを見つけた。そりゃそうだ。
 こうしてヨメも安心して眠りにつくことができたのでした。

(つづく)

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年越し香港2009-2010 ①

Dscn0259 久しぶりの海外脱出。いつもならシーズンオフの平日に休みをとって安く行くんだが、最近ヨメの仕事が忙しく(冗談でなくワタシよりよっぽど働いてる)、そんなことができない。が、それがゆえに彼女のストレスはそーとーに溜まっており、ここはひとつ美味いモンでも食べて・買い物して・面白げな体験でもしてもらってガス抜きせんと、ワタシのほうに何か災いがふってきそうである。とゆーわけで、ふだんの3倍はカネがかかろーかという年末年始に香港に行くことにした。なにこれでヨメの不機嫌から逃れられるんなら安いもんである。

Dscn0239 見よ。成田9:50発(もちろん朝の)という便だ。これも現地で遊べる時間をすこしでも長く確保しようという浅ましい根性からの選択である。そのために今朝は3時起きだったが・・ ほとんど徹夜状態で出発である。

Dscn0244_2 が、ワタシは飛行機ではほとんど寝られない体質なのだ。後に述べる理由でシートもヨメとは離ればなれになってしまっている。香港まで約5時間、なにをしてすごそうか。と、おお! 『ガンダム』の劇場版(一話)がやってるではないか。さっそく視聴。久しぶりだが、ムム、お・面白い。

 とか何ンとかやってるうちに香港国際空港に着いた。流暢な日本語で迎えてくれる、今回のツアーの現地添乗員。「葉」さんという名で、ワタシは昔の香港映画『風の輝く朝に』のヒロイン、イップ・トンを思い出した。漢字で「葉童」と書くから目の前の葉さんも実際はyipといったような発音になるんだろう。ま、もっともこちらはハゲあがったメガネのおじさんであるが。

Hg1_3 今回泊まった「ハーバーグランド香港」。09年の6月にできたばかりのホテルだ。たしかにキレイで全室オーシャン・ビュー(我々の部屋からはビミョーだったが)。けど、香港島にあるこのホテルが移動に関しては不便であることが後に判った。香港観光の中心はネイザン・ロードのある九龍側で、香港島からはいちいち海底トンネルにもぐったり、船で渡らなければならないのだ。
 そもそも香港行きを思いついたのが11月も押し詰まった頃。ネットでツアーを見るとほとんどキャンセル待ちだった。そのなかでいち早く予約のとれた今回のハーバーグランドは、つまりは「それなり」というわけなのだろう(飛行機の席が離れたのも、こういう事情からだと思います)。
 しかし! すぐに我々はこのホテルの実力を目の当たりにすることになった。なんとワタシのスーツケースの鍵が開かなくなってしまったのである! 意を決してフロントに電話した。むろん日本語は通じない。
 
 「Can I help You?」
 「あー、まいすーつけーす、きー、ぶろーくん」
 「Fum・・」
 「のっと、おーぷん」
 「OK. ナントカカントカ 5minutes ナントカカントカ」
 「・・・」
 「Are You OK?」
 「お、おーけー」
 
 どうやら5分後くらいに係りの人間をそっちに遣る、と言ってくれたようなのだが確信が持てない。が、しかたないので待ってみる。今夜は夕食の予約を入れてあり時間が迫る。と、部屋のベルを鳴らす音が! そこには工具箱を持った屈強なおじさんが立っていた。おじさんはワタシのスーツケースをためつすがめつした後、ドライバーを取り出してキーの脇あたりに突っ込んだ。そしてワタシの顔を見る。その表情に「壊れちゃうかもしれないけどいいか?」という意味が読み取れる。イヤもおうもない、ワタシは頭をブンブン縦に振った。おじさんが拳に力を入れる、と、ガチャっと音がして鍵が開いた! 壊れてもいないようである。「サンキュー!」おじさんにチップを渡そうとしたのだが、彼は微笑を浮かべながらそれを受け取らず去っていった。かっこいい! このホテル、なかなかいいじゃないか。

(つづく)

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