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May 11, 2008

熱海彷徨(ついでに10㎞マラソン報告)

本日の更新 : 針鼠活字/針鼠銀幕


 連休を熱海ですごすというのは自虐的な行為だ。
 何年か前、日帰りで訪れたことがあるんだけど、海沿いの巨大なホテルがいくつもツブれてるのを目撃した。中は真っ暗。そのガランドウな様は、ちょっとこっちの気分をぞくぞくさせるものがあった。仄聞するこの地の衰退ぶりを、目の当たりに確認できた。
 その熱海へ、黄金週間に行こうというのはいかなる思考のカラクリから成る発想なのか。ま、たいした理由はない。すいてるだろうし、近いし(何ンと新横浜からこだまで30分!)、たまたまネットでとれたホテルが綺麗ーそうだしメシ美味そうだし。

 んで、行ってきました2泊3日。
 熱海駅を降りると・・、ナ、ナンダこの人・人の波は!? いるのである。カンコー客がいっぱい来てるのである。 今日は祭りか? などと冗談をとばしてるとホントに祭囃子が聞こえてきた。これはッ。阿波踊りのリズムではないか。かつて10年暮らした高円寺。毎年夏の終わりに鳴り響いていた笛・鐘・太鼓の音色。
Ren_3 あの、なつかしい囃子が近づいてきたと思ったら出た! 踊る阿呆が出てきたよ。この楽器隊と踊る人たちで組むチームを「連」というけど、その連もけっこうな数が出てるんである。あとで調べたんだがどうもNPO法人(まだ申請中だけど)が動いてるらしい。「復活 熱海元気ですよ」という名のその組織、このネーミングもどうかと思うが、ニックネームみたいなもんを「ATAMIX」にしようとしてるらしく、ナンダそりゃ、と。最近姿を見ない「ガーリー・フォトグラファー」HIROMIXにちなんだのかよ、と。
 ま、悪口はそのくらいにして。このATAMIXの企画で「連」を高円寺から(やっぱり!)呼び、こうして街興しの一環として、阿波踊りしてると。昨年からやってるようだ。これはネーミングのセンスと違ってナカナカ気が利いてるんじゃないか。個人的な高円寺への郷愁という面もあるけれど、観光地の駅を降りたとたんあの、こちらの気分を高揚させずにはおかないリズムに迎えられるというのは、これからの旅への期待をいやがおうにも盛り上げてくれるというもんだ。
Hantama_2 ATAMIXのサイトを仔細に見ると、他にもさまざまな活動をしていて、なかに「半玉さん」もしくは「あたみっ娘ちゃん」と呼ばれるまたネーミングに物申したくなる芸者さん見習いみたいな女性を募集し、この娘達を各地に派遣(なかには東京後楽園で行われるプロレスのイベントなんてのもあった)、熱海をアピールしていく、なんてこともやってる。そういや連といっしょに静々歩いてた芸者さんたちを発見したが、あれがそうか。
 予想外の観光客の多さにさいしょはびっくりしたが、暦のつながりのわるさで永い連休がとれない今年は、近場の熱海でも行っとこーかと考える人がいっぱいいた、といったあたりが正解だろう。でも、そこココで盛んに行われている催しものの様々を目にすると、ATAMIXに代表される地元の再生への努力が、すこしは寄与してると信じたくなってくる。

 夜には花火大会も開かれた。20分程度のものだけど、ホテルのレストランが開放されてその絶好のロケーションから見られる夜空の大輪には、お客さんから思わず拍手が沸いてました。
Hanabi_1 Hanabi_2

Hihokan けれども熱海には昔からの定番もある。これは「秘宝館」でうちのヨメがマリリン・モンローのスカートを舞い上がらせているシーン。
 今回の旅の参考は『地球のはぐれ方』(村上春樹 吉本由美 都築響一)、3年半くらい前の本なんで、古くなっちゃった情報もあるけど、だいぶ参考にさせてもらいました。タイトルからも解るとおり、紹介されている訪問地はおしゃれではない。「ちょっとビミョー」な場所を、それでも今までにないアプローチで、「なにか」を発見すべく動き廻る。そんな趣旨です。この本の「熱海篇」で紹介されてるスポットにはだいたい行ったな。秘宝館のほかに「ホテルニューアカオ」のハーブ&ローズガーデン、世界救世教の経営する「MOA美術館」etc etc。

Hoko_5 で、前で言ってることに逆行するようだけど、いま、熱海が無自覚に発散している魅力が「退廃」なのは事実だ。駅周辺は賑わっているが、海へ下っていく坂沿いの、意外に長々とつづく、たとえば「熱海銀座」などの商店街は、半分近くがシャッターをおろしており、「テナント募集」の貼紙も少なくない。道路がうねっていて、それに沿ってカーブして建造されたビルなどは、往時はさぞモダンだったろうと思われるが、古びたいまは逆にそれが「退廃度」を増す効果となっている。そんななかに時折ハッとするようなこじゃれた靴屋さんや、婦人服のショップなどがあり、これらは以前からある周囲の店舗とはあきらかに異彩を放っている。おそらく、都市から進出してきたお店であろうが、これが熱海復活の「芽」なのかは、いまのところ判断がつかない。いや、そうあることを望む。首都圏から1時間以内。温暖な気候、豊富な湯元、魚は美味いし夏にはビーチもある。ATAMIXは様々の努力をしてる。「あと一押し」で以前とはちがう魅力をもった熱海として復活するポテンシャルがある。それに目をつける都市部の利権もあるだろう(イヤ、もうはじまっているのかもしれない。リゾートマンションの乱立は失敗すると思うけど)。
 でもやっぱり、この退廃っぷりは、なくすのには惜しいなあと思ってしまう個人のワタシがいるんである。


 ご報告:10㎞を走る予定だった「東日本国際親善マラソン」には、発熱のため欠場しました。すんません。

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