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May 05, 2005

痛風物語_11

◆ 「ボクも痛風なんだよねえ・・」ニコニコとそう言う医師にワタシは、あ、そうですかというような反応しかできなかった。「紺屋の白袴」、いやいや「医者の不養生」そのままやんけ。あらためて医師の姿をながめると、白衣の下には丸くでっぱった腹があり、さもありなんという身体つきをしている。
「でも体質改善に努めていまは数値、落ち着いてます」
ホンマかいな、と思いつつもここはネットでも紹介されている痛風の権威、ましてや医師本人が罹患しているとあっては、真に患者の身になった診療が可能であろう、と自分に言い聞かせる。
「ここは慎重にいきましょう。ご本人が痛風と思いこんでいても、怪我だったりする場合もあるんです」
イヤこれは経験からいってぜったい痛風の発作だから、とも言えず、レントゲンを撮りましょうという医師の言葉に従って、痛む足をひきづりながら奥の部屋へ移動した。
◆ そこには、バリウムを飲んで胃のレントゲン写真を撮影するのに使うような、シーソーみたいに上下するベッドがあった。いま、ベッドは垂直の状態だ。ガラス窓の向こうにこの装置を操縦するためであろう小部屋があり、そこから医師がマイクを通して、背をベッドにつけるよう指示を送ってくる。
「いまからベッドが倒れますからね。脇の柄をしっかりつかんでてください」
たかが片足のレントゲン写真を撮るのに、これは大仰すぎやしないかと思いつつ、ワタシは医師の言うとおりにした。身体を硬くして待つ。けれど何もおこらない。ガラス窓の向こうからなにか物音が聞こえてくる。小部屋を出て、診療室の方へ歩いていく気配がする。しばらくして戻ってきた医師が言った。
「この装置、最近導入したんですけどどうも調子がよくないみたいです。そちらのベッドで撮影しましょう」
それは、よくある何の変哲もない診療ベッドであった。こっちでもレントゲン撮影は可能らしい。ワタシはおとなしく従ってそのベッドに仰向けに横たわった。
◆ しかし、再び何事も起こらない時間が続いた。医師は小部屋と診療室を行き来している様子だ。どれくらいがたった頃であろうか、医師は小部屋ではなくワタシが横臥している部屋に入ってきた。
「どうもレントゲンのフィルムを切らしているようです。撮影は次回にして、今日は採血とお薬の処方をしましょう」
◆ 血液検査の結果を聞きに行ったのはたしか1週間後くらいだったと思う。医師は「すこし悪い」と言った。尿酸値「7」台くらいだったのではなかろうか。この間に、薬のおかげもあってか痛みはすっかり去り、中断していたランニング、水泳などダイエットを開始していた。そのことを医師に告げると、では尿酸を抑える薬の処方はやめ、体質改善に期待しましょう。1ヵ月後にまた血液検査します、と言った。レントゲン撮影のことはすっかり忘れているようであった。1ヵ月後の検査で値ははるかに落ちていた。医師は、素晴らしい! このまま継続できれば何の問題もない、と言った。その後、ワタシは発作が起こったときでも、この医院をたずねることは2度となかった。
◆ つづく(hedge)

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