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January 30, 2005

痛風物語_9

◆ 我がイケメン医師は60がらみかと思われる「オジイチャン」だけれども、半年ぶりにそのご尊顔をあらためてシゲシゲとながめてみれば、彫りが深くて肌浅黒く、眉は太いしオメメはぱっちり二重であり、髪ゆたかにしてロマンスグレー、近所のババア連中にモテモテという床屋のオネェさん情報にも、うなづけるのであった。
◆ 「どうしました?」
しばしの黙想をうちやぶる医師の問いかけにワタシは「あ、いや・・」などとあわてつつ、かねて持参の11月にやった健康診断結果が記された紙をとりだした。
「実はですね・・」
◆ そうなのである。毎度痛風の発作がでたときだけオットリガタナでこの病院に駆けつける事態を、いかに「怒らない」我が医師が相手とはいえワタシはいささか恥じていた。で、健診結果の尿酸値「10.7」という新記録と「要精密検査」の文字を頼りに、いままさに発作がおきているという事実を伏せて、
「健康診断でこんなこと言われてしまいまして、ちょっと真面目に直そうかと思ってお薬をいただきに・・」
ということにしたのである。
「ウム」医師は紙を手にとって仔細にながめている。「γ‐GTPと中性脂肪もすこし高いようですね」「イヤ、そっちはいいから」という言葉をのみこむ。
「ええ。これから年末年始でお酒の機会も多いモンで」
「まだ呑むんですか?」
お、「怒らない」医師がさすがにちょっと呆れてる?
「では薬を2週間分出しておきます。2週間後にまた来るようにね。それとお酒は控えたほうがいいですね」
「ハ、ハイ」たぶんまた半年くらいは来ねぇだろうなと思いつつワタシは従順に応えた。
◆ かくして「アロシトール」という尿酸値を下げる薬を「院内処方」で得ることができた。これが床屋のオネェさんの言うとおり「20年前と変わらない」モノなのかどうかは判らない。
◆ (それにしても)と降りしきる雪のなか自宅にむかいながらワタシは想起した。(あのときの医者はここのイケメン医師とは対照的だったなあ)名古屋は栄の出張の折におきた痛風発作。あの帰りに立ち寄った高円寺の医院に、ワタシは思いをはせていった。
◆ つづく(hedge)

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January 21, 2005

短期集中連載[1] ~ 僕のダイエットの歴史について語ろう

103_0393◆ 見よ! 63.8kg!! ろくじゅうさんきろ台・・ なンと美しい響きだろうか。ダイエットのことを調べはじめた頃、「運動してもそれほどは痩せない。やはり食べる量を減らすことだ」といった論をあちこちで目にしたけどそんなことないモンね。けっこう、トンカツとか食ってるモンね。やっぱ運動には即効性がある、ということだ。
◆ けどコレが未知の領域というわけでは、実はない。過去には60キロを切ったこともあるのだ。そのたびにリバウンド・・ やせることは易しいがそれを維持することが難しい、という法則には黙ってうなずくことしかない。
◆ さてその栄光と挫折の歴史とは。つづく。(hedge)

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January 18, 2005

自由落下脳

◆ 今日は走った。運動を再開した日以降あいだ2日は酒席つづきで「しみじみ呑む」も実践できず、同席したエライ人にむかって「ナニ言ってんだこのハゲ」等の暴言を吐いたりしたが、とにかくも今日は4kmを走破し、復活は順調である。ところで、ランニングをしている際の意識の状態は独特である、とかねてから思っているハナシを今日はしたい。
◆ 我々の起きているあいだの思考の流れというものは、常になにかしら「外部」からの刺激を受けている。それはたとえばTVであったり、人との会話であったり、パソコンの画面であったりする。電車に乗っているときでさえ新聞や雑誌を読んでいる。つまり我々の「考え」はほぼつねに「外部」に拘泥してしまっている。
◆ ところがランニングしているあいだだけはこの制約から自由になる。走るコースは決まっているから見慣れた風景が展開していくだけであり、それによって何かしら新たな着想がわくなどということはない。ま、ごくたまにこのようなものを発見することもある。
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お判りだろうか。民家の窓からカーテンごしに宇宙人がこちらの様子をうかがっているのである。コレを目にしたときはさすがにギョッとして(なぜ宇宙人が・・)と思い悩んでしまい、つまりは意識が外部状況に影響を受けてしまったわけだ。ま、これは極めて稀な例である。
◆ 走っているときは、精神のフリーフォール状態、とでもいうか、とにかく「とりとめのない」ことを考える、という意識のありようが実現している。水泳の場合はこうはいかない。常にフォームをチェックしていなければならないし、あといま何m泳いだ?というカウントもしなければならない。泳いでるとき、頭のなかは意外にせわしなくこれらのことにわずらわされているのだ。ランニングの際のまったく束縛のない意識の状態というのは、つまりは得がたい時間なのだ。
◆ で、この走ってるときに意外なアイデアがうかんだりする。あるいは、仕事のことですっかり失念していた事案を思い出したりする(そしてあわてて家に戻って対処する)。ヒトはよく「ボーッとしていた」と言うが、それは「何も考えていなかった」ということではなくて、いま現在懸案である事項にアタマが占領されていた、ということの方が多いだろう。今回例をあげた走っているときのような「意識のフリーフォール状態」、現代人はそんな時間を持つべきである。(hedge)

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January 17, 2005

痛風物語_8

◆ 12月29日、降りしきる雪のなかを、ワタシはいつまでも去らない痛風のいたみを憂慮し、年末年始にわが持病を気にすることなく大いに呑むために、薬をもらいに行きつけの病院へとむかったのであった。病院はこの日の午前中で終わり、正月休みに入るところであった。ワタシが到着したのが11時半、まさに僥倖であった。
◆ この病院に来るのは半年ぶりくらいだ。ふつう痛風というのは、薬をのみつづけることでしかその抑制はできないとされており、定期的に病院に通って薬を処方してもらう必要がある。しかるにワタシは今回のような非常事態にならなければ病院に行かないのである。医師としてはそのような怠慢なワタシを叱りつけて当然であるのだが、我がクリニックの先生は全然怒らないのである。
◆ この件に関してはワタシの行きつけの床屋のオネェさんとも話題にのぼったことがある。いわく、あそこの先生はホントに怒らない。だから患者が甘えてしまう。私(床屋のオネェさん)は小学校からあの病院に通っているが、出てくる薬が20年前とまったく変わらない。全然最新医療の研究というものをしていないのではないか。それでいて怒らない上にけっこうなイケメンだから、近所のおばあちゃんからは絶大な人気がある。そういえば最近薬の処方は医院とは別の薬局ですることになってるけど、あの病院は院内で薬を売ってる。アレはいいのだろうか? 等々我がクリニックをめぐる黒い噂は絶えないのである。
◆ とにもかくにも尿酸を減らす薬を(院内だろうがなんだろうが)売ってもらわなくてはならない。ワタシは半年ぶりにイケメン医師との対面を果たした。
◆ つづく(hedge)

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January 16, 2005

今年のテーマは「しみじみ呑む」だ!

◆ 1年の計は元旦にありというが、松の内もすぎたいま、本年の目標を発表する。それは「しみじみ呑む」ということだ。
◆ そもそもこのテーゼ自体は10年近くも以前に打ち立てられたものであるが、実践の面になるとナカナカままならなかった。しかし先週のことである。酔って眠りこみ最寄駅をのり過ごして終電をのがしたあげくタクシーで帰宅すること2度に及び、ことここにいたってこの最終手段ともいえる「しみじみ呑む」を実行に移さねばワタシの未来はないと結論づけた。
◆ 「しみじみ呑む」の効用を挙げてみよう。

  ① ダイエット面:かねてからの課題であった、「酔って正体を
    失くしラーメン等をむさぼり食ってしまう」という局面を避け
    ることができる
  ② 金銭面:タクシー代の節約
  ③ 人間関係面:上司や顧客にむかって暴言を吐く、というこ
    とがなくなり穏当な人間関係の継続が図れる

これほどのメリットばかりが期待できるのに、いままで実行してこなかったのが不思議に思えるくらいである。
◆ 具体的には、「酒を呑むペースを落とす」ということである。これが言うは安しで、だいたいワタシは酒席に臨む時点でもはや気持がうわずり自己というものを見失っているフシがある。まずは、乾杯をまえに落ちつくことだ。おのれのなか深くへわけ入っていき、「これからしみじみ呑むのだ」と言いきかせる。
◆ かなりの精神の修練が必要と思われる。でもやるんだよ。(hedge)

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January 15, 2005

復活の日

IMG_0378◆ プールにいってきた。極寒の、しかもしょぼふるミゾレまじりの雨のなかを、である。自分の偉さにほとほと感じ入る。
◆ けれどブログ効果というものもやはり認めざるをえない。年賀状でここのURLを紹介したので、はじめて覗きにきてくれる人もこのところあるのだが、「ダイエットに全然関係ないハナシばかりじゃないか」「酒ばっか呑んでんですね」等など耳の痛いご意見を頂戴した。こうしたプレッシャーが積み重なり動機がふくらんでいったのが、本日の復活へと結びついた一因であることにまちがいない。
◆ それにしてもサボッたもんである。最後に走ったのが12月の6日だから、1ト月と1週間も何ンら運動をしていなかったことになる。今回のダイエットをはじめたのが(記念すべき)11月3日。ということは、運動していた時期とまるまる同じくらいの期間を怠惰にすごしていたわけだ。もったいないハナシである。が、経験からいうといちどダイエットを中断してしまうと、再スタートには短くとも半年はかかっていた。それがひと月ちょっとでの復活をむかえられたのは、やはりblogサマサマということか。
◆ とにかく、本日を以ってワタシは栄光への階段をふたたび駆けあがりはじめたワケである。1月15日は第2の記念日となるであろう。(hedge)

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January 07, 2005

ヴィム・ヴェンダースに似た男

◆ 20年近く前の話になる。同室の人間のイジメに耐えかね会社の寮を脱出したワタシは、中学時代からの友だちにさそわれて中野区のアパートに移った。もうひとり加わって男3人の共同生活のスタートだ。3室あったので一人一部屋、快適な日々がすぎていった。
◆ そこへ彼があらわれた。ドイツ人映画監督ヴィム・ヴェンダースに顔が似ている男だった。部屋はもう埋まっていたから、内心困ったなとワタシは思ったが、当時『ベルリン・天使の詩』を発表して飛ぶ鳥をおとすイキオイだったヴェンダースに似ていることで、憎からず思ったのも事実だ。仕方がないので彼は風呂場に住んだ。これは事実である。
◆ 風呂は壊れていて使われていなかったのだ。就職活動中だった彼は、湯船に渡した板のうえで勉強をはじめた。本棚も運びこんだ。けれど壊れているとはいえやはり風呂場、どこか湿気が多いようで、本棚の本はみなページがぶわぶわになった。ワタシが寝起きしていたのは4畳の部屋だったが、風呂場にくらべれば天国だなあと、おのれを寿ぎ彼を哀れに思うこともあった。
◆ そんな彼もいまやライターとなって有名誌に原稿を書き、都内にマンションを所有する身となった。奥様も美しいかただ。昨年本も出した。ワタシはといえばしがないヒラのサラリーマンで、住まいは賃貸、ヨメは青木さやか似ときてる。いつの間にやら抜き去られ、はるか差をつけられたモノである。
荒川龍@スチャラカ 彼のウェブログ。ライターとしての活動の様子はもちろん、話題は食や、映画・音楽・本の紹介、多彩な交際ぶりなどにおよび、実に興味深い。なにより(ライターだからあたりまえっちゃあたりまえなんだけど)文章自体が上手いから、じっくりスラスラ読めるのがデカイ。
◆ そういやいつぞや2人でヴェンダースが来日した折の公演(? っていうか評論家梅本洋一によるインタビュー?)を見にいったのを思いだした。ヴェンダースに似た男と本物のヴェンダースを見にいく。得がたい体験であった。(hedge)

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January 04, 2005

2004マンガのベスト5

① 本秀康傑作劇場
② シガテラ (古谷実)
③ DEATH NOTE (作 大場つぐみ/絵 小畑健)
④ げんしけん (木尾士目)
⑤ Sink (いがらしみきお)

◆ ①:他に『ワイルドマウンテン』『本秀康の描く4ページ』なども出て今年はワタシにとって本秀康ブレイクの年。ヘタウマ系の可愛い絵でありながら、マシンなんかはその味を残しつつも緻密でかっこいいものを描く。とぼけた展開のウラにべっとりとした悪意が確実にあって、魅力。
◆ ②:2年前の傑作『ヒミズ』にくらべると毒が薄いようにも感じるけど、はじまったばかりで油断は禁物。むしろ最近の展開を見ると、じわじわと暗い陰がさしてきているようで、怖い、でも見たい、というよむ快感にあふれた作。
◆ ③:よく売れた。けど巻を追うごとにハナシが難しくなってきてる。それでいながら少年誌連載ものらしくちょっとコドモダマシな展開もあり、けどよませる。絵が上手い。
◆ ④:大学のオタクサークルの話。ワタシは「オタク観察」が好きなんでその一環として読みだしたんだけど、最近出た第5巻には感動させられてしまった。ばかばかしいことに徹底してとりくむ姿勢が描かれていて、よい。
◆ ⑤:2年ぶりに続巻が出て完結した。最近の「不条理現象モノ」の嚆矢。(hedge) 

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January 03, 2005

2004本のベスト10

① 犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (コニー・ウィリス 大森望訳)
② 『ブレードランナー』論序説 / 映画学特別講義 (加藤幹郎)
③ ハイスクール1968 (四方田犬彦)
④ 熱帯 (佐藤哲也)
⑤ 宗教が往く (松尾スズキ)
⑥ ペンギンの憂鬱 (アンドレイ・クルコフ 沼野恭子訳)
⑦ 底抜け合衆国 / アメリカが最もバカだった4年間 (町山智浩)
⑧ 世界のすべての七月 (ティム・オブライエン 村上春樹訳)
⑨ 綿谷りさのしくみ (小谷野敦 渡部直己 吉本謙次)
⑩ 趣都の誕生 / 萌える都市アキハバラ (森川嘉喜一朗)

◆ 読んだ本を見わたせば、その年自分がどんなことに興味を寄せてたか、あるいは、どんなブームがあったのかということが判ってくる。
◆ ひとつは「大人計画ブーム」というのがいえる。直接のきっかけは映画『恋の門』だけど、2年くらい前からチケットがとりにくくなってたし、宮藤官九郎のTV方向からのブレイクもあったりして、下地はできてたんだがそれにしても本が出る出る。ワタシが読んだだけでも、⑤の他に『監督ちゃん』『スズキが覗いた芸能界』『大人計画社長日記』と、その他クドカンの対談集とか、もうやめてくれ~という感じでした。でも『恋の門』はつまんなかったなあ。『真夜中の弥次さん喜多さん』はどうだろうか。
◆ それと「ブッシュ批判」本、ね。これも『華氏911』がその象徴ですが、その「原作」たる『おい、ブッシュ、世界を返せ!』(出たのは昨年だけど)とか、⑦とか、マンガ『ブーンドックス』等などがまきおこすムーブメントは、ワクワクさせるものがありました。結果はご存知のとおり。でもまあこれで判ったこともいろいろある。アメリカの中南部は、自覚なき「キリスト教右派」のひとびとで満ちていて、彼らはパスポートも持たず、というか町のなかで生活のすべてはコト足りてしまうので「外」を知らず、「同性愛はいけない」「堕胎はいけない」といった「倫理」をまずなによりも大切にする。外の国でおこっている戦争や環境のことよりも、彼らにとって最優先されるべきこれらの価値を守ってくれそうな人を選ぶのは、当然なんだろう。でもこれも図式的な理解のようで、そんな地域でも都市部では民主党に入れた人がいっぱいいるし、ケリーの勝った海岸部の州でも「郊外」には共和党支持者が多い。4年後、いったいどうなってるんでしょうか。
◆ 綿谷りさの芥川賞受賞をキッカケに、「ベストセラー批評」ともいうべき動きも一部で盛りあがってました。『文学賞を斬る!』や『百年の誤読』に見られるように、主に豊崎由美がひっぱっていたようですが(年末の「総括」特集にも出ずっぱりでした)、⑨の、おじさんたちが小娘の書いた小説によってたかってアレコレ言う様も味わい深いものがありました。個人的には小谷野が「蹴られる」少年の無意識を暴いてみせたのが、渡部の技術論なんかより面白くて印象にのこってます。
◆ 『電車男』に見られるように、昨年はオタクが肯定的に受けいれられはじめたのではないかと思っています。⑩などはガクシャの手になる真面目なオタク(現象)批評だし、そこへ『ハウル』効果が重なって、「オタク本は出してもいいんだ」という意識が出版界に根づいたように思います。『リトル・ニモの野望』『すべての映画はアニメになる』『あの旗を撃て!』等を読みました。本年3月にはいよいよ「秋葉原クロスフィールド」(の「ダイビル」部分)ができます。オタクとビジネスが本格的に交わるといったいどういうことになるのか。愉しみでございます。(hedge)

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January 01, 2005

睡眠力

◆ 年が明けたのでなにかめでたい話をしたいとことろであるが、めでたいといえばやはり「よく眠れる」、これに尽きるであろう。ワタシはかねがねヨメの睡眠力に感心するものである。休みの日にはいつまででも眠っていられるのはもちろん、寝つきもよい。見ていると床に就いて5秒で寝息をたてている。そしてなによりもワタシが尊敬するのは「起きない」ということである。
1
鼻の穴に指を1本突っこんだくらいでは起きないのである。では2本ではどうか。
2
やっぱりぜんぜん起きないのである。
◆ ではここで助っ人を呼ぼう。デ○ズニー映画『アラ○ン』より、不思議なランプの精、魔人ジーニーである!
3
ランプの口ならぬ耳の穴から颯爽と登場です。

6
なにやら宝物をひろげてご満悦の様子。

yomeijiri10
バイバイ。

(hedge)

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