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『テス』

★★★
トマス・ハーディ 石川欣一訳
<08/08/25> 実家から持ち出したんだか、自分で古本屋で買ったんだか記憶も定かでない河出判世界文学全集で読んだ。訳も古いだろう。奥付を見ると昭和37年に初版発行となっている。「主要人物」の紹介ですでにオチが書かれてしまっていたりする。でもなんだか笑って許せる。最近の新訳ブームは、「読みやすさ」という部分でけして否定するものではないけど、じゃあ原典の国の人はどうなんだ、と思う。彼らにとってそのコトバは古臭いだろうが、それ「込み」で作品を味わっているに違いない(まああんまり古いもの(『源氏物語』とか)なら「現代語訳」というのもあるが)。であれば、翻訳もその時代により近いもので読むのが正解なんじゃないか。この『テス』はそう思えた。牧師の息子クレアの愚直さは、古い言葉だからこそ身に迫った。

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