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『ベイツ教授の受難』

★★★★
デイヴィッド・ロッジ 高儀進訳
<10/07/11> 適度に知的な語りが読むに心地よい。ベイツ教授はひどく生真面目だ。妻に対して嘘を吐くことはもちろん黙っているのも裏切りだと思っている風だ。それが過去に犯した「罪」に拠るものだと後半判る。アウシュヴィッツを訪れた際も、謎の女学生を前にしたときも彼の胸に去来するのは「罪」のことなのだ。父の死をむかえて、ベイツの「罪」への思いはひとつの壁を越えた。同時に難聴も迎えいれる。

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